人生の目的果たすとどうなるの?

人生の目的果たすとどうなるの?


人生の目的とは?

人生の目的というのは、
私たちは、何のために生まれてきたのか
何のために生きているのか、
なぜ苦しくても生きねばならないのか。

生まれてから死ぬまでの
人生全体の目的は何か、
ということです。

その答えを親鸞聖人の
教行信証(きょうぎょうしんしょう)』には

難思の弘誓は難度海を度する大船

と記されています。

仏教では、人生を苦しみ悩みの波が次から次とやってくる
海にたとえて「難度海」といわれます。

その苦しみの絶えない人生の海を
明るく楽しくわたす大きな船がある。
この船に乗ることこそが、人生の目的だと
教えられています。

人生の目的達成の自覚はできるの?

ではこの船に乗って、
人生の目的を果たしたらどうなるのでしょうか。
親鸞聖人は、このように言われています。

大悲の願船に乗じて光明の広海に浮かびぬれば
至徳の風静に衆禍の波転ず(教行信証)

これは、親鸞聖人の体験の言葉です。
大悲の願船」とは、難度海を度する大船のことです。
この大きな船は、阿弥陀仏の大慈悲心によって造られた
本願の船ですから大悲の願船といわれています。

せっかく人間に生まれてきておりながら
何のために生まれてきたのか分からずに苦しんで、
やがて死んで行こうとしている私たちを見られて、
阿弥陀仏は、かわいそうだ、何とか助けてやりたいと
大慈悲の心を起こされて造られたのがこの大きな船です。

その大悲の願船に、親鸞乗ったと言われています。
乗ったのかどうかハッキリしないというものではありません。
難度海で苦しんでいた人が大船に乗ったら、
水際だって心が変わりますから、ハッキリします。

ハッキリする人もいればしない人もいるとか、
振り返ってあの時に乗ったんだろうとか、
無念無想ではないが三業にかからないというように、
ハッキリしないのは、乗っていないからです。

親鸞聖人は勿論そんなことをごちゃごちゃ言われず、
大悲の願船に乗った、とハッキリ言われています。

人生の目的果たしたら?

では、大悲の願船に乗ったらどうなったかというと、
光明の広海に浮かんだと言われています。

暗い人生が明るい人生に
苦しい人生が楽しい人生に変わった
ということです。

浮かんだ」ということは、
それまで難度海に沈んでおられたということです。

難度海の人生は、苦しみ悩みの暗い人生でしたから、
大悲の願船に乗ったところが
光明輝く明るい人生になったといわれています。

広海に浮かんだ」というのは、広い人生になった。
ということは、それまで
あっちにぶつかりこっちにぶつかり、
難度海で苦しむ狭い人生だった。

それが、何ものもさわりとならない広い人生になった。
一切がさわりとならない無碍の一道へ出たということです。

それはどんな世界?

それはどんな世界かというと、次に

至徳の風静かに 衆禍の波転ず

と言われています。

至徳の風静かに」の「至徳」とは、
この上ない幸せです。

絶対の幸福に救い摂られ、
人間に生まれてよかったという喜びが、
風が静かにそよぐように常にある。

自分の罪悪が知らされていますから、
調子の順境のときは、
どんな悪果がかえってきても文句の言えない私が、
恵まれすぎていることに感謝せずに
おれなくなってきます。

次の「衆禍の波転ず」というのは、
衆禍」は、色々のわざわいですから逆境のときです。

難度海を度する大船に乗せて頂いても、
私たちはろくな種蒔きしていませんから、
苦しみの波は、次から次とやってきます。

ところが、それが「衆禍の波転ず
衆禍の波が歓喜と転ずる
無碍の世界です。

このように、

至徳の風静かに 衆禍の波転ず

とは、順境のときは感謝、
逆境のときは懺悔となり歓喜となる
どっちになっても喜ばずにおれない
幸せの身になったというお言葉です。

順境でよし、逆境でよし、
順逆共によしの無碍の一道
何があっても崩れない絶対の幸福の世界に出られますよ
と親鸞聖人は言われています。

どうすれば人生の目的果たせるの?

ではどうすれば大悲の願船に乗れるのか
といいますと、
仏法は聴聞に極まるの一本道です。
聴聞」は、
聴もきく
聞もきく
聞く一つです。

ぜひ大悲の願船に乗せて頂けるところまで
仏教をお聞き下さい。

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