世間のノウハウと仏教の違い

幸せの法則なら他にも色々ある？

単に幸せな運命が欲しいということなら、
その方法は、世間にも色々あります。

小学校でも習う伝統的なものでは、
道徳倫理もそうですし、
現在では、いい人生にするための
自己啓発や実用的なノウハウが
たくさんあります。

どうしたらダイエットできるか、
どうすればお金が儲かるかという
様々なメソッドも開発されています。

別にそれらの新しいノウハウでも、
実行さえすれば、おそらくそれなりに効果はあるでしょうに、
なぜ今更２６００年前に説かれた
仏教なのでしょうか？

それは、仏教には、世間の倫理や道徳・ノウハウにはない
重大な違いがあるのです。

因果の道理の特徴

まず第一に、この仏教の運命の法則は、
「因果の道理」というのですが、
それが「道理」であるということです。

「道理」とは、
三世十方を貫くもの
を言われます。

「三世」とは、「過去・現在・未来」のことで、
「いつでも」ということです。

「十方」とは東西南北、上下四維のことです。
「四維」とは、東北とか南西のような方角ですので、
全部で１０の方向がありますから、「十方」といわれ、
「どこでも」ということです。

三世を貫き、十方をあまねく、
そんないつでもどこでも変わらないことを、
仏教では「道理」と言われます。

昔は正しいとされていたことでも、
今ではそういえないようなことは、
道理とは言いません。

例えば、現在美しいとされているのは、
やせている人のようですが、
約千年前の平安時代は、
ふくよかな人とされていたらしいことは有名です。

平安時代には定期的に飢饉があったりして、
ダイエットは必要はなかったと思いますが、
そこでさらに誤ってダイエットしてしまったら、
人気が落ちてしまいますよね。

そして、千年後の未来は、
どんな人が美しいといわれるかは、
予測できません。

そんな美的な価値観などは、
道理ではないんですね。

「道理」とは、昔も今も未来も、
いつでも変わらず、正しいものが、
道理と言われます。

それだけではありません。

場所によって変わらない？

「十方をあまねく」ということは、
どこへ持って行っても正しいと言われるものです。

ですから日本では正しいと言われることでも、
アメリカへ行くと間違いになるものは
「道理」とはいえません。

昔もてはやされた日本的経営の
終身雇用や年功序列は、
アメリカへ持って行くことはできませんでしたし、
今となっては日本でも難しくなってきています。

終身雇用や年功序列は、
その時は有効だったのかもしれませんが、
道理ではないんですね。

「道理」というのは、
いつの時代でも、どこへ行っても正しいこと、
変わらない事実を言います。

仏教は時代によって変えて行く必要がある？

前回お話ししたように、仏教はこの、
「因果の道理」を根幹としていて、
いつでもどこでも変わらないものを
教えられているのです。

たまに
「今日のように科学が進歩し、
世の中ずいぶん変わったんだから
仏教も変えなければなりませんね」
という人があります。

確かに倫理や道徳なら、時代や国によってかわりますし、
しかし、仏法に説かれるのは
三世十方を貫くものですから、変わりません。

そもそも、もし真理があるとすれば、
それはいつでもどこでも変わらないものですよね。
時代や国によって、また科学の進歩によって
変えなければならないようなものは、
真理とはいえません。

仏教は、大宇宙の真理を根幹として、
いつでもどこでも変わらないことを説かれていますので、
世の中どのように変わろうが、
科学がどれだけ進歩しようが、関係ありません。

いつでもどこでもかわらないのが仏教です。
これが、世間の倫理や道徳・ノウハウにはない
仏教の大きな違いの１つです。

世間のノウハウと仏教の最大の違いは？

次に、もっと重大な違いがあるのですが、
仏教では何のために因果の道理が説かれているのかという
「目的」が違います。

世間の道徳倫理、ノウハウなどの目的は、
お金や名誉などをもっとたくさん手に入れたり、
人間関係をよくしたりするためのものです。

それは、幸せには違いないのですが、
一時的で、喜びが色あせてしまいます。
今日あって明日なき幸せです。

ところが、仏教の目的は
「人間に生まれてよかった」という、
絶対変わらない、
絶対の幸福になることです。

因果の道理も、その絶対の幸福に導くために
説かれているのです。

世間の道徳倫理、ノウハウはどれだけ実行しても
絶対の幸福にはなれませんから、
それらと仏教とは、目的が根本的に違うのです。

このように、重大な違いがありますので、
因果の道理をよく知って、
仏教を聞いて絶対の幸福になって頂きたいと思います。